インボイス制度の2割特例
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インボイス制度の2割特例

2023 / 07 / 31

 

いよいよ令和5年10月1日から適格請求書等保存方式(消費税のインボイス制度)が始まります。

 

これを機に免税事業者から課税事業者になり不安を感じている方もいらっしゃるかと思います。

 

そのような方たちのための負担軽減措置として「2割特例」が設けられましたがご存じでしょうか?

 

 

2割特例はインボイス制度導入を機に、免税事業者から課税事業者になった方が対象で、適用するための事前の届け出は不要です。

 

 

さて、2割特例を使うとどのように負担軽減されるのでしょうか?

 

原則の消費税申告では、売上などで受け取った消費税から、設備投資や諸経費で支払った消費税を差し引き、残った分をおさめることになります。

 

例えば、売上1,000万円(消費税100万円)で諸経費で700万円(消費税70万円)を支払った場合、

100万円-70万円=30万円

の消費税納付になります。

 

しかし、インボイス制度の開始により、諸経費で支払った700万円のうち、インボイス登録のされていない方へのお支払いが含まれていると、その分の消費税は差引できなくなります。

 

例えば先ほどの例で、支払った諸経費のうち400万円(消費税40万円)がインボイス登録していない方へのお支払いだったとすると、申告書上で差引できる消費税は、

70万円-40万円=30万円

ということになります。

 

納める消費税は、

100万円-30万円=70万円

ということになるので、申告時期の税負担が大きくなってしまいますね。

 

では、2割特例を適用するとどうなのでしょうか?

2割特例は次のように計算します。

 

納める消費税=受け取った消費税-(受け取った消費税×80%)

 

同じように売上が1000万円(消費税100万円)の方の場合、

 

100万円-(100万円×80%)=20万円

ということで20万円の納付金額になります。

 

受け取った消費税(100万円)の2割を納めることになるため、2割特例といわれています。

 

ちなみに2割特例を適用できる期間は、令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日の属する各課税期間です。

こういった特例を適用できる期間で有効に活用して、お得に節税していきましょう。